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ツイッターの現在と、小沢のふたつの選択
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毎週3回(月・水・金)の刊行です。
この発行頻度なら、ほぼリアルタイムに状況を斬れます。

どうしてわたしたちの生活はよくならないの?
それは日本の政治が国民に冷酷であり、マスメディアが国民に真実を伝えないからです。

マスメディアが操作する状況の嘘を兵頭正俊が斬り、マスメディアに騙されないステージにご案内します。

これまでも小沢一郎の無実、菅直人総理のもとでの民主党の退潮、菅直人の政治家としてのいかがわしさ、民主党の参議院選挙の惨敗、地方選での惨敗、野田政権の官僚隷属、さらには情報セキュリティ、企業がクラウドコンピューティングを利用することの危険性等、様々な状況分析を間違わずに発信してきました。

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━━━━━━━━━━
◆ ツイッターの現在と、小沢のふたつの選択 ◆
━━━━━━━━━━

今号では、わたしが頻繁にツイートをメルマガに引用す
る意図について、説明しておきたい。

情報のツールとして、ツイッターは非常に優れている。
特筆すべきはその速さだ。地震がおきると、瞬時に「今、
揺れがきた」というツイートが流れ始める。スピードは
テレビより早いし、広告主がいない分、真実を語りやす
い発信ツールである。

情報量も、ブログにリンクすれば、140字の制約を軽く
クリアできる。調べ物も、ツイッターの検索は味があっ
ていいものだ。

しかも人間関係の交流の範囲が、非常に広がるというこ
とがある。ツイッターの良さは、見知らぬ人から感想を
いただけることだ。わたしのツイートにも、政治家や編
集者、それに経営者、芸術家などから返信がくる。

ただ、交流関係は広がっても、ツイッターが論争の場で
はないことに注意する必要があろう。140字の制限で議
論するのは、無理である。気に食わなかったツイートに
対しては、論争を仕掛けるのではなく、無視する、今後
は読まない、といった暗黙のルールをもつことが必要だ。

現在、ツイッターを上手に使っている3人をここで紹介
しよう。


1 民主党衆議院議員の三宅雪子のケース。

三宅はツイッターを上手に使っている。
多くのツイートを、日々、ネットに流しており、それは
仮想の報告会と呼んでいいものだ。現在、その仮想の報
告会には2万を超えるフォロワーがついていて、彼女の
ツイートを楽しみにしている。

リアルでおこなわれる国政報告会と違って、ツイッター
での国政報告会は誰にでも開放されており、誰でも参加
できる。

しかも、三宅雪子は、小沢一郎との対談を企画し、(動
画)も配信している。小沢の露出度を高め、三宅はネッ
トとリアルの両方で闘おうとしているようだ。

彼女は、ツイッター上で繰り返された、仮想の「報告
会」が、リアルの選挙区に還流させる試みも行っている。
つまり選挙区にいるフォロワーとの交流だ。ここまで丁
寧にネットとリアルの結合を実行している政治家を、わ
たしは寡聞にして知らない。


2 群馬大学教授早川由紀夫のケース。

3.11以降、民主党政権は、震災を小さく括って、消費税
増税と原発維持・輸出へと向かい始めた。このとき、わ
が国のマスメディアは、社会の木鐸としての権力への監
視を怠り、政府の御用メディア、政府の広報機関として
振る舞っている。

この状況で、わたしたちには、ネットと外国メディアが
頼られ、信頼される存在となった。

この大きな絵の中に早川由紀夫をおいてみる。すると早
川がツイッターに表現の場を求めたのも、その場を奪お
うとする大学も、必然の動きだとわかる。

群馬大学の早川由紀夫教授に、高田邦昭学長が訓告処分
を下したのは昨年である。処分の理由とされたものは、

「貴殿のインターネット上のツイッターにおける福島県
の被災者や農家の人々に対する配慮を著しく欠く発言」

であった。

これは高田が穏便に済まそうとしたのを、早川がツイッ
ターで騒いだので、やむなく処分といった表層的な問題
ではない。学長の高田が、早川の学者の良心を闇から闇
へ葬ろうとしたのを、早川がツイッターで抵抗したとい
う問題である。

早川にはこの方法しかなかったのであり、ツイッターに
拠ったのは賢明な選択であった。

この問題の本質は、表面だけなぞっていても明らかには
されない。

原発村の攻撃は、福島の農民になりすましてやってくる。
真実の顔は原発村の利権である。

処分理由の「ツイッターにおける福島県の被災者や農家
の人々に対する配慮を著しく欠く発言」は、「原子力研
究開発機構に対する配慮を著しく欠く発言」と読み替え
ると、すべては氷解するようだ。学長の高田は、原発村
の群馬大学への寄付金を明らかにすべきであろう。

この問題は、ツイッターの力がここまで大きくなったこ
とを示すものであった。ニーチェも川端康成も「血で書
け」といった。140字で、危機を訴えるから、早川の表
現は辛辣になった。

処分後も早川は元気で、ツイートの姿勢は変わっていな
い。最近のツイートを紹介しよう。

2012年2月8日(水)のツイート
「当時は(福島の農家は)「カネ目当て」ではなく「補
償金ねらい」の語を私が用いて、農家から明確な否定を
もらった。7月19日ツイート「補償金ねらいじゃなくて、
毒米を売りさばいて大量殺人ねらいなんですか。それは
犯罪ですよ」 

2012年2月16日のツイート。
「(ほとんどの)オウム信者は100%無自覚でサリン製
造に加担したと判断されたから起訴されなかった。福島
農家が半信半疑でコメをつくったのなら、50%の自覚が
あったということだ。両者を同列で論じた私は、オウム
信者に申し訳ないことをした」

教師が、触媒はツイッターであれ、状況に向けて語ると
き、学生は講義以上のもの、生きた学問を、そして教育
の本質であるもの、人間の生き方そのものを学ぶのだ。
早川は、おそらく多くの群馬大学の学生たちに多大な影
響を与えている。

今からでも遅くない。処分を申し渡した高田は、おのれ
の専門知を状況に対象化しなければならない。そして早
川のツイートのどこが事実と違っており、どこをどのよ
うに変えるべきなのか、さらには福島の農家のどこが正
しいのか、を語るべきだ。学生たちは多くを学ぶだろう。


3 大阪市長の橋下徹市長の場合。

3人目に、昨年の大阪市長選でツイッターに流れた橋本
徹の、激しいツイートについて述べておく。

わたしは週刊誌の新潮や文春とは、年に何度かの立ち読
みの程度の付き合いだ。そこが橋下批判をやった。

わたしは平松陣営から橋下攻撃がなされたものだと思っ
た。これは、現在のメディアの劣化を物語る格好の材料
を提供してくれた。

平松陣営は、古いメディア週刊誌を使い、橋下の出自、
家族、親族のプライバシーなどを、人権を無視して書き
立てた。橋下は、この古いメディアの攻撃に対して、カ
ウンターメディアとしてのツイッターを、マイノリティ
の生き方を肯定する表現空間として選択した。

わたしは、橋下の思想には批判的だが、古いメディアの
橋下攻撃は許し難いと見て、新潮と文春批判をツイッ
ターで行った。思想的に敵だから、何をされようと見過
ごす、というのはわたしの立場ではないからである。

平松は古いメディアの出身者である。最後までネットの
力を知らなかった。
このことは非常に重要である。

まず、マスメディアの攻撃に対して、ブログやツイッ
ターで、しかもひとりで反撃できる時代だということが
証明された。

橋下は、さらにフジテレビなどテレビの攻撃にもさらさ
れた。しかし、橋下が圧勝したことで、もはや国民が、
ネットの力もあって、古いメディアには支配されにくく
なったといってよい。

橋下は、大阪市長選に勝利した後、市内の24区長に、
区民との対話手段として、「ツイッター」を利用するよ
う指示した。現在の多くの政治家は新聞・テレビから情
報を得て、一喜一憂している。政治家を「記者クラブ」
の呪縛から解き放つためにも、この試みは重要であろう。



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目次
◆ マスメディアの正体
◆ マニフェスト放棄の終着駅
◆ 日中を分断してアジアを統治

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ▼ マスメディアの正体 ▼
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

11月18日、NHKスペシャル「徹底討論TPP どうなる日本」を見た。TPP参加賛成派に政府代表者2名と田中均が出演。TPP参加反対派として榊原英資と鈴木宣弘が出演。政府からは国家戦略相の古川元久と外務副大臣の山口壯が出演。反対派は2名で、賛成派は3名の不公平「徹底討論」だった。

いかにも御用メディアNHKらしい人数構成。番組は「徹底討論」と銘打ちながら、肝心の公平さが担保されていなかった。しかも、野田は、まだ交渉の前段階で、関係国との協議を始めただけとの、二枚舌のスタンスをとり続けている。ところが参加賛成派は、司会者も含めて、交渉参加として発言していた。

NHK番組で、TPP賛成派は、野田の二枚舌の、米国向け発言に沿って発言を繰り返した。しかも最後に司会者は、「賛否両論をよく踏まえて、政府にはしっかりと交渉して欲しい」とまとめた。本人も自分が何をいっているかわからなかったに違いない。最後まで、交渉参加を前提とした司会であった。

毎度だが、NHKのTPP報道は非常に偏向している。NHKは、必ず農業と他の産業との対立にもっていく。あたかも農業の対応策さえきちんとやれば、TPPは問題なしという狙いだ。この番組でも、しきりと司会者は、コメ、コメといい続けた。ところがTPP賛成派は、農業の将来を展開できなかった。

番組のなかで、TPP賛成派は、これまでも説明を国民に対してやってきた、TPPによってアジアの繁栄を日本に取り入れる、という根拠のない物語を展開。そのなかで、NHKは、画面に、TPPに参加した場合の10年間累積の国民総生産を、「10年間」の表示をせずに提示するお粗末。

普通、視聴者は何の表示もなければ1年間の国民総生産増加と解釈するものだ。かろうじてTPP反対派の指摘で10年間の累積だとわかった。フジテレビで中野を怒らせた構図と酷似している。番組で意味があったのは、榊原英資の発言。「米国は日本のマスコミをうまく使う。NHKなどはすぐに変わる」

続けて榊原はNHKの番組のなかで、「(米国と交渉していると)後ろから(マスコミの)弾が飛んでくる」と暴露。あわてた隣席の田中が、榊原の腕を押さえて発言を制するのを、カメラは映してしまった。さらに榊原は、「日米の交渉力の比較は2対8である」と日本の貧寒な交渉力を指摘した。

NHKの番組のなかで、榊原は「米国は、米国のルールが世界のルールだと思っている。日本が独自の制度をもっているところは、必ず攻撃してくる」」と発言。榊原は、「民主党のなかでも、国会議員のなかでも反対派が多い。党内でも、国会でも、徹底討論をして、まとめる努力が必要」と発言した。

NHK番組のなかで、TPP賛成派の意見は抽象的で具体性がなかった。もともとメリットなどないのである。日本の、実質的な参加表明以来、中国がTPPを警戒し始めている。日本のとるべき道は、繁栄するアジアを重視するべきだ。中国排除に向かうべきではない。

ところが、このNHK番組でも、政府は、中国包囲網は考えていないとする。これは甘い日本政府の願望だ。日米関係では、圧倒的に米国の意向で日本は行動を強いられる。重要なのは米国のアジア戦略である。ISD条項も知らずにTPPに参加する平和ボケした日本の思いつきや、二枚舌外交などではない。

TPPには参加しない方がいい。日本にとっては米国も重要だが、中国も重要だ。どちらについて他方を排除する、包囲するといった選択が、軍事的に強まれば、日本を滅亡に追い込んだ戦前の軍事同盟の悪夢をよみがえらせる。必要なのは東アジアに生きる民族の、しなやかな知恵であり、歴史の教訓である。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ▼ マニフェスト放棄の終着駅 ▼
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

TPPに関して、民主党の全国会議員に説明する両院議員懇談会が、今月24日に開かれる。せめて慎重(反対)派は、次の点は主張し、追及してもらいたいものだ。それは、すでに「合意された」TPPの通商ルールのなかに、問題のネガティブリストやISDが入っていることの確認が第一。

米国との交渉は、現在の対米隷属の劣化した政治・官僚の現実からして、無抵抗の、丸のみ参加になる可能性が大である。このことを慎重(反対)派には、しっかり追及して、あらためてTPPに反対してもらいたい。民主党の、そして国会議員の半数の反対を強権的に押し切れば、民主主義は死ぬ。

民主党内の慎重(反対)派が諦めてしまえば、あとは、悪乗りした野田の独裁が続き、選挙がやってくる。野田の悪政の責任を、慎重派はともにとらされる。菅、野田と続いた対米隷属の、国民いじめの悪政を、民主党慎重(反対)派は、結果的には数的に補完したからだ。裁く側にも一理あるわけだ。

TPPに反対しながら、すぐにおとなしく諦め、同調したじゃないか。所詮はお坊ちゃん、お嬢ちゃんの政党だ。すでに政治評論家の多くは、慎重(反対)派は諦めたといっている。すると、同じ政党なのだから、結果的に野田の悪政を担ぐことになる。売国を実現する役割を、数的に担わされることになる。

民主党の半数ほどは、小泉亜流の市場経済主義者だ。それが政治的には未熟で訓練されていない。選挙のたびに反小沢で動く。それが今回は売国で動いている。決別の時だ。次の選挙に賭けるなど、人がいいと侮られるだけだ。国民の大方の願いは、TPPを阻止してほしい、と小沢の出陣を願っている。

民主党は、小泉流の、弱肉強食が国をズタズタに破壊した後に、その反省のうえに政権を託された。それが経済的にはフリードマン流の自由市場経済、新自由主義、グローバリズムに逆行し始めた。野田は、それをTPPの看板をかかげながら、実現しようとしている。これがマニフェスト放棄の終着駅だ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ▼ 日中を分断してアジアを統治 ▼
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この世には専門家面した音痴、たとえば政治音痴の政治家というのがいる。野田や前原はほんとうの政治音痴。深読みなどする必要はない。国内でそれを証明し、外国でまた証明している。日本の繁栄は、中国、インド、韓国、インドネシアなどとの関係強化抜きにはない。これらの国はTPPに入っていない。

中国などが、将来TPPに入ると前原がいっている。どの国もそんなことはいっていない。12日の米中首脳会談でもそんな話はでなかった。前原本人が、偽メール問題でもわかるように政治音痴なので、聞く必要もない与太話だ。だいいち中国がTPPに入って何のメリットがあるのか。

もし中国がTPPに入れば、ISD条約によって米国企業の訴訟の嵐に巻き込まれる。共産党一党独裁の、体制の最大の権益も危うくなる。米国の悪夢は、日本と中国が手を握り、米国抜きの経済的共同体が東アジアで完成すること。

TPPへの日本参加巻き込みの、米国の真の狙いは、日中間にくさびを打ち込み、先にTPPに日本を取り込み、アジアに覇権を維持すること。日中を分断してアジアを統治する。この戦略は、米国にとっては、必要不可欠な戦略。だから、最後はどんなに敷居を低くしても、とにかく日本をTPPに巻き込む。

TPPに一度日本を入れてしまえば、後で敷居はいくらでも高くできる。米国にとって、政治の劣化した金持ち国日本ほど、おいしい国はないのだ。日本としては、TPPには入らず、アメリカによる日中分断策は受け入れられないと、米国を説得すべきである。

日本の戦略の基本は、日米中のどの国も排除されない、三国の対等の友好関係の構築におくべきだ。米国を排除してもいけないし、中国も排除しない。それが東アジアで生きる民族の知恵である。愚かな野田は、そのような国家戦略もなく、ネガティブリスト(例外リスト)さえ持たずに手ぶらで出かけた。

野田はオバマの懐に飛び込んだ。もしTPPに参加すれば、ISD条約を盾に強欲な米国の会社・投資家に裁判を起こされ続け、国内法の改正を義務付けられる。TPP参加によって国家主権の侵害が簡単に、しかも合法的に行われていくことになる。

ISD条約によって、カナダやメキシコ、中南米の国々が訴えられ、巨額の賠償金を支払わせられている。TPPに参加すると、米の一企業(一投資家)が日本の法律を変える権限を持つことになる。つまり、日本全体が外国の金持ちの利害で変えられてゆく。いやとはいえない。

TPP参加後の国内の惨状に気付いて、もとに戻そうと思ったとしよう。しかしラチェット規定で、もはやもとに戻せないのだ。人間は間違う存在。間違わない人間なんていない。しかし利口な人間は反省して、修正する、後に引き返す。しかし、元に戻るのを許さないのがラチェット規定なのである。

この規定は、銀行、保険、法務、特許、会計、電力・ガス、宅配、電気通信、建設サービス、流通、高等教育、医療機器、航空輸送など、ほぼ全分野を網羅している。つまり野田ジャパンは、虎の檻の入り口に立たされたのである。一度檻に入ったら、二度と引き返せない鉄の扉が閉まるTPPの恐ろしさ。

TPPは、実に傲慢で、強欲で、理不尽な仕掛けである。よほど圧力をかけられるか、間抜けでなければ入り口にすら立たない仕掛けである。振り返ると、先の参議院選挙の惨敗、それに続く地方選の惨敗にも民主党は誰一人責任をとらなかった。TPPにも責任はとらないだろう。

民主党の姿勢は、国家の将来などどうでもいい、今の自分たちがよけりゃそれでいい、好きにやるから黙っておけ、といっているように聞こえる。民主党の慎重(反対)派の国会議員は、野田が外国に行く前に、集団離党しておけば、TPP参加表明はなかったことを知るべきだ。次はあるのか。ほんとうか?



今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。


 年々にわが悲しみは深くして
    いよよ華やぐいのちなりけり
               岡本かの子
               
また、面白い文章を書きますね。
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大津波が掘り起こしたもの

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東北地方太平洋沖地震の考察(24)




西岡武夫参議院議長逝去のこと。入院中とは知らず、TPPについて声が聞こえてこないのを不思議に思っていた。大きな政治課題で、声を聴きたい政治家のひとりだった。わたしの耳には、先の民主党代表選を前にした、西岡の雷がこだましている。

それは、菅直人と共同正犯の責めを負う者たちが立候補している、という西岡の声だった。優れた政治家の「先憂後楽」の「先憂」とは、想像力の謂いである。西岡は最期まで見通していたのである。謹んでご冥福をお祈りする。

今回はひとつのツイートを紹介する。
それは、東京へのがれきの搬入について、東京都環境局に抗議の電話をしたところ、「ケンカ口調」で答えが返ってきたというもの。「どんなに電話かかってきてもがれきの受け入れやめない」「子供が放射能汚染受け入れるのも運命のひとつ」「クレームの電話にしか思えない」

恐ろしいのは、国の、そして自治体のトップの姿勢は、国を染め上げてゆくということである。「問答無用」「お前たち、下々の者は、お上のいう通りにしておけばいいのだ」という姿勢をトップがとると、時間とともに末端にまでその姿勢が浸透してゆく。

わたしたちはTPP問題で、先の民主党代表選で野田に一票を投じた、政治的見識に乏しい民主党国会議員のツケを払わされている。民主党には、投票当日の演説の出来でリーダーを選択する、といった劣悪な政治家たちが大勢いる。訥弁、能弁で人を判断するな、という庶民の知恵と常識がないのである。

また、演説を聞く前に、日ごろの言動からリーダーを選ぶというのも、庶民の優れた知恵であり、常識である。ひとり民主党だけが違い、菅、野田と、1回の演説を聞いて、間違った選択をし続けるのだ。全国の民主党員は恥じるがいい。次の衆議院選挙で、間違いなくきみたちの政党は政権から落ちる。

それはきみたちが自ら菅を選び、野田を選んだ結果である。民主党の看板はすでに朽ち果てている。裏切りと忘恩と国民蔑視の同義語になっている。あるいは対米隷属、官僚依存、財界との癒着、自民党と同義語の看板になっている。

さらに、口先だけでいい政治をやっているように見せかけて、実は何もしない、何もできない、無能や無気力の同義語になっている。それに、昨今、売国の同義語が加わった。政治家にとってこの名前ほど忌まわしいものはない。古今東西、これは政治家にやってくる最後の蔑称である。

野田は(G20)首脳会議で、2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げると、国際社会に公約した。しかも野田は、消費税増税法案成立前の衆院解散まで否定した。信を国民に問うのは法案が成立させてからという。この国会無視、国民無視の卑劣さは相当なものだ。

野田はG20で消費税増税を国際公約した。外国でまず公約して国内を後にする。あるいは外国だけを相手にして国内は相手にしない。これが野田の国民蔑視のやり方である。この手法は、次のAPECでTPP参加表明の手法へと続く。国民も国会も相手にしない。ただ外国を、米国だけを相手にする。

外国のみ相手にして、国際公約を国民に押しつける。手法の根本にあるのは、官僚主導と対米隷属である。ここまで官僚に支配され、米国を怖がる総理はいなかった。この国家的危機に際して、政局は複雑化し、いくつもの選択肢が浮上してくるだろう。しかし、実は闘いの理路は明確である。

TPP慎重派が民主党を出たらいいのである。その政治家としての覚悟ひとつにかかっている。そのタイミング、出方、あるいは戻り方については、あなた方が考えたらいい。ただ、はっきりいえることがある。次の選挙の損得のソロバンをはじくには、TPPはあまりに重すぎるということだ。
(続く)



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